マセラティ同棲日記

しがないサラリーマンが強気のローンで買ったクアトロポルテスポーツGTSの日記です

アイドリングストップしたりしなかったりするのはなぜ?

こんばんわ、バイエル男です。

 

今回は、アイドリングストップについて記事にしたいと思います。

6シリーズには、グランクーペに限らずアイドリングストップ機能が付いています。ご存知の通り、車が停止するとエンジンが自動的に停止するあれです。

このアイドリングストップ、時々作動しなかったり、ずっと止まっていると逆に勝手にエンジンがかかったりしませんか?これには車に乗る上での重要な原理が関係しています。

 

その答えはずばり、エンジンを動かす必要があるからです。笑

 

何を当たり前のことを言っているんだと言われそうですが、ではなぜエンジンを動かす必要があるのでしょうか。車は止まっているのに、です。

それは、2つの理由があります。1つは熱、もう1つは電力です。

熱というのは、エンジンが発する熱のことです。車は、この熱を主にエアコンの温風形成と、パワートレイン関係部品の加熱に使っています。そして、これらに必要な熱が失われたと車が判断した場合、熱を追加で供給するためにエンジンを始動するのです。

改めて考えたことがない方も多いかもしれませんが、自動車というのは一般的に走るだけでなく、ライトや車内灯などの電装部品に必要なエネルギーをすべてエンジンから取り出しています(ハイブリッド、EVは除く)。そのため、エアコンを動かすにはエンジンの回転力が必要で、暖房を作動させるにはエンジンの熱を取り出す必要があります(冷房は冷媒を用います)。カーエアコンと家庭用エアコンの違いがここにあります(EVでは事情が異なります)。したがって、エンジンを止めたままだといつかエアコンが効かなくなってしまうので、長時間エンジンを止めていると自動的に再始動し、エアコンが止まるということを防いでいるわけです。

つぎにパワートレイン関係部品です。パワートレインと言われてもピンとこない人が多いかもしれませんが、エンジン回りや駆動系のことだと思ってもらえればいいと思います。これらのうち、エンジンの熱が必要なのは、エンジン自身(エンジンオイルの温めと循環)と、排気ガスを浄化する触媒です。

エンジンオイルは適切な温度でエンジンを循環する必要があり、その熱の供給と、循環のためにはエンジンが回転しなければなりません。また、現代の車には厳しい排気ガス規制をクリアするために必ず「排ガス浄化触媒」が搭載されています。この触媒と呼ばれるものは、特定の温度を外れると排ガス浄化性能が著しく低下します。このため、長時間のエンジン停止によって触媒の温度が低下しすぎると、再始動後に発生する排ガスを浄化できないため、そうなる前にエンジンを再始動し、触媒の温度を適切な温度に保つのです。

 

特に寒い時期、長く止めていた車のエンジンをかけたとき、いつもよりアイドリング音が大きい(回転数が多い)と思ったことはありませんか?これを漠然と「暖機」だと知っている人は多いかもしれませんが、その暖機は何を暖めているでしょうか。それがエンジンであり、触媒なのです。特に触媒については早急に暖めないと大気中に有害物質を放出してしまうので、エンジンを多めに回すことで対処しているのです。

 

ちなみに、エアコンの状態やエンジンオイル温度、触媒温度など、車両の状態は高度なセンサーでリアルタイムに計測し、それらをもとに自動車の脳みそにあたるECUが各種部品に指令を与えています。

 

以上、アイドリングストップの作動に関して、自動車の原理の観点からご説明しました。

 

今回はここまでです。それでは!